パーキンソン病を起こす農薬

ミトコンドリア機能障害による毒性が強い除草剤パラコートは,ヒトでパーキンソン病様の症状を起こした合成化学物質MPTPとよく似た化学構造をもち,動物実験でもパーキンソン病と同じ症状をおこすことが報告されている。
MPTPは、合成麻薬に混入していた神経毒で、麻薬中毒者がMPTPの混じった麻薬を使用した後、パーキンソン症状を起こした事件があった。
疫学研究からも、パーキンソン病はパラコート、殺虫剤ロテノンなどの農薬曝露との関係が強く疑われている。
ロテノンは神経毒性が高く、2006年に農薬登録を失効したが、パラコートはいまだに使用されている。

フランスではパーキンソン病を農業従事者の職業病と認定

フランス政府は農薬曝露がパーキンソン病発症のリスクを上げることを公認して、2012年にパーキンソン病を農業従事者の職業病と認定した。