環境ホルモンとは
環境ホルモンは、正式には外因性内分泌撹乱化学物質と呼び、、環境中に含まれているホルモン撹乱作用を持つ化学物質のことを意味します。
英語ではendocrine disruptorといいます。
外因性内分泌撹乱化学物質は、長いので外因性を省く場合、”撹乱”をかく乱”、”攪乱”を使うこともあります。
環境ホルモンは日本で作られた造語ですが、言葉が浸透して理解しやすい面もあるので、当サイトでは状況に応じて、両方を使います。
米国の女性生物学者シーア・コルボーンらが1996年(日本語版1997年)に『奪われし未来』を出版し、環境中にホルモンを攪乱する人工化学物質(環境ホルモン)が存在し、野生生物や人間にも影響が及ぶと警告しました。
野生生物では、米国のピューマのオスに停留精巣が起こって不妊傾向が見られたり、ワニのペニスが縮小したり、カモメの生殖行動異常(メス同士のつがい)や卵の孵化率の低下が見られました。
日本国内の巻貝イボニシでは、97カ所中94カ所でメスにオスの生殖器が見られ、個体数が減少したなど様々な報告があります。
日本では当時大騒ぎとなりましたが、”環境ホルモンは空騒ぎ”という間違った見解が流布してしまいましたが、科学的知見が蓄積し、世界では内分泌攪乱化学物質は、生態系やヒトの健康に重大な悪影響を及ぼすとされ、実際に規制が始まっています。
ヒトへの影響は多様ですが、特に胎児や子どもの脳神経系、内分泌系、免疫系の発達異常、、精子減少、生殖器の異常やがんのリスクを上げる報告が多数蓄積しています。