環境脳神経科学情報センター開設のお知らせ

ご挨拶
長年、このサイトを開設しようと思いながら、大変時間がかかってしまいましたが、ようやく公開に至りました。
まだ準備中の項目も多々ありますが、順次内容を詰めてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
なお、ご意見、間違いなどありましたら、お知らせください。また当サイトの記事や画像を用いたいときには、ご連絡頂きますようお願いします。
2018年12月

2019年2月21日ネオニコチノイド(農薬)&トリチウム(放射線)複合汚染問題のセミナー

2019年2月21日市民のための生活環境病緊急セミナー
ネオニコチノイド(農薬) & トリチウム(放射性元素)複合汚染問題
16時半〜19時頃 衆議院第一議員会館B1大会議室
16時半 「生活環境病とトリチウム放流の問題」 西尾正道
17時半 「農薬(ネオニコチノイドなど)発達障害との関係」 木村─黒田純子
18時半 総合討論
参加費無料 どなたでもご参加ください。
締切2月10日となっていますが、会場が広いのでまだ受付中。
ただし、議員会館は入館証が必要なので、事前申し込みをお願い致します。
主催:市民のためのがん治療の会
申し込み:FAX 042-572-2564
email:com@luck.ocn.ne.jp
http://www.com-info.org/kouenkai.php?kouenkai_20190221


「地球を脅かす化学物質」海鳴社(2018)初版の訂正と追加

地球を脅かす化学物質 補足と訂正のお願い 
初版では化学物質過敏症について説明が不足しておりました。大変申し訳ございません。また細菌についての記載に間違いがありましたので、訂正をお願いします。2版では以下、追加、訂正しました。

 

● 化学物質過敏症についての補足 8章130ページ
化学物質過敏症(CS)は、農薬などの有害な化学物質を大量に曝露されたり、微量でも繰り返し曝露された後に発症する疾患で、2009年厚労省で疾患登録されました。発症すると、様々なごく微量の化学物質に反応して、心身に多様な症状が起こります。現代社会は人工化学物質に溢れているので、日常生活が困難となる場合も多くみられますが、確立した治療法がなく、患者は大変苦労しています。厚労省の2012年研究調査[153]では、成人で化学物質に高感受性を示す人は、4.4%(約450万人)、準・高感受性の人は7.7%(約800万人)と報告されており、未成年者も含めると患者数はさらに膨らみます。
発症に至る詳細はまだ分かっておらず、。症状を起こす化学物質が多様でごく微量であることから、心因性とする人がいますが、それが間違いであることは科学的に立証されています[110]。人体が有害な化学物質に閾値を超えて曝露すると、心身を守るために免疫系、脳神経系などのあらゆる防御反応が働くようになり、その後は微量な化学物質によっても防御反応が働き、多様な症状が起こると考えられます。
なかでも香料の曝露で起こる多様な症状については、化学刺激に反応する嗅覚受容体やTRP(Transient receptor potential)受容体が、嗅覚神経系以外の組織に存在して多彩な機能を担っていることから説明できます。TRP受容体は、化学物質、熱、機械刺激、浸透圧など様々な刺激に反応する受容体で、種類が多く多様な機能を担っている重要な受容体です。嗅覚受容体は、血管では血圧を調節し、腸では神経伝達物質セロトニンの放出に関わると報告されており、TRP受容体は脳、内臓、筋肉など多組織に存在して多様な機能を担っています。香料は嗅覚神経のこれらの受容体を介して精神症状を起こし、血中に入った香料は全身に送られて、各臓器の受容体群に結合して、血圧の変動、消化器系の異常、筋肉痛など多様な症状を起こす可能性が考えられます。これらの受容体の発現パターンは個々に異なるので、香料に無反応な人もいれば、多様な症状に苦しむ人がいることは科学的に説明が付くことです。
化学物質過敏症については、人工化学物質が人体にどんな影響を及ぼすか考えもせず、経済性、利便性を優先して生産し続けている現代社会への重大な警鐘と考えねばなりません。
文献
110.石川哲、宮田幹夫. 化学物質過敏症:ここまできた診断・治療・予防法:かもがわ出版;1999, 169pp.
153.内山巌雄、東賢一. 化学物質に高感受性を示す人の分布の経年変化の評価
厚生労働省:シックハウス症候群の発生予防・症状軽減のための室内環境の実態調査と改善対策に関する研究 平成23年度総括・分担研究報告書より

 

● 7章99ページの細菌について間違いがありましたので、以下訂正です。
元文:地球上の生物の中でも真正細菌(注)は一番多く、その数は1030 にもなり、重量換算すると生物全体の99・9%にもなると言われていますから、その数のすごさに驚きます。

 

訂正:地球上の生物の中でも真正細菌(注)は一番多く、その数は1030 にもなり、重量換算すると約70億人の人間総重量の1000倍にもなると言われていますから、そのすごさに驚きます。

 

● 7章116ページに追加 
注)アレルギー急増の大きな要因:「衛生仮説」から「旧友仮説」へ
近代社会では、衛生状態が良くなり寄生虫感染が激減したため、攻撃対象を失った免疫系が暴走して、アレルギーが急増したとする考え方が「衛生仮説」です。この説はアレルギー増加の原因として支持されてきましたが、一方で自己免疫疾患の急増については説明が付きませんでした。
最近の研究から、多様な種類の免疫細胞のうち、病原菌、ウイルス、寄生虫それぞれへの攻撃を誘導する3種類のヘルパーT細胞と、このヘルパーT細胞が暴走するのを抑える抑制性T細胞の存在がわかってきました。ヘルパーT細胞のうち、IgEという抗体の産生を誘導するタイプが暴走するとアレルギー反応が起こり、別の特定なヘルパーT細胞が暴走すると自己免疫疾患が起こると考えられてきています。これらの暴走を抑える抑制性T細胞は、腸内免疫系に多く存在し、さらに腸内細菌がこの抑制性T細胞を増やす役割を担っていることが分かってきています。抗生剤、抗菌剤の乱用などで腸内細菌のバランスが崩れ、抑制性T細胞が正常に働かなくなったことにより、アレルギー反応が起こるという考え方が「旧友仮説」です。腸内細菌は、古くから人間の友であるのかもしれません。

 

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