有機フッ素化合物PFASの環境汚染

有機フッ素化合物PFASは、ダイオキシン、PCB、有機塩素系農薬など同様に難分解性・蓄積性で、使用した後から生態系とヒトへの毒性がわかってきた合成化学物質です。分解されにくい性質から、Forever chemicalとも呼ばれています。

 

当初使用されたPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸), PFOA(パーフルオロオクタン酸)は大量使用された後に、環境ホルモン作用や有害性、難分解性がわかり、ストックホルム条約で規制・禁止対象となっており、国内でも化審法の規制対象物質となっています。
2021年6月には、PFOS, PFOAの代替として大量使用されたPFHxSも、環境ホルモン作用などの毒性が明らかとなり、ストックホルム条約で、規制が決まりました。

 


ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議のパンフより引用

 

有機フッ素化合物は、種類が約4700もあると言われており、熱や薬品や紫外線に強く、水と油の両方をはじくという特徴があるため、1950年代以降、多くの工業製品、消費者製品、石油火災用の泡消火剤など広範に使われてきました。

 

規制はされたものの、すでに環境中に大量に放出されたため、世界中、日本中で汚染が確認されています。

 

欧米では、PFAS全てを規制する動きが進められています。
日本でも早期にPFAS全体の規制が必要です。

 

有機フッ素化合物PFASについて、ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議でわかりやすいパンフレットを作成し、PDFを無料公開していますので、以下から御覧ください。紙版は事務局に依頼してください。
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有機フッ素化合物PFASによる健康影響

PFOS, PFOAによる多様な健康影響が報告されています。
この2種以外の有機フッ素化合物については、ほとんど調べられていませんが、同様の健康影響が懸念されています。

 


ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議のパンフより引用

 

有機フッ素化合物はどこに使われているのか

有機フッ素化合物PFASはその便利さから多様なところで使われてきました。
なかでも泡消火剤は、米軍基地やガソリンスタンドなどで、使用され、地下水や河川の汚染を引き起こしました。

 


ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議のパンフより引用

 

日本国内の有機フッ素化合物汚染

環境省の調査では、全国各地で土壌、大気、河川でPFOS, PFOAの汚染が確認されています。

 

 

なかでも高濃度の汚染が確認されているのは、沖縄、大阪、東京都多摩地区です。

 

沖縄、東京多摩地区の汚染は米軍基地から、泡消火剤が使用されたためと考えられています。
大阪は有機フッ素化合物を使用した工場からの流出が原因とされています。

 

東京都多摩地区では、汚染された地下水を水道水に利用していた地域が多くあありました。
横田米軍基地の泡消火剤や、工場などからの汚染が主な原因と考えれられていますが、はっきりしたことはわかっていません。

 

ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議では、地元住民の方や地域の医師や多くの方々の協力を得て、血液検査を行いました。
その結果、多摩地域の汚染地域、府中市武蔵台浄水所と国分寺市東恋ヶ窪浄水所の地域の住民の有機フッ素化合物汚染が明らかになりました。

 

ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議のパンフより引用

 

これについて、岩波書店「科学」に、国民会議・中地重晴氏(熊本学園大学教授)、植田武智氏(科学ジャーナリスト)と記事を書いたので、興味があったら御覧ください。 ダウンロード