ピレスロイド系殺虫剤も子どもの脳には危険
ピレスロイド系殺虫剤は、除虫菊の天然成分ピレトリンを元に、合成された殺虫剤で、種類がたくさんある。
農薬登録されているものでは、ペルメトリン、ビフェントリン、シペルメトリン、デルタメトリン、レスメトリンなど.
フェノトリン（別名：スミスリン、住友化学の製品）はピレスロイド系殺虫剤だが、農薬登録はされておらず、家庭用殺虫剤、動物用医薬品、防疫用薬剤として使わている。
ピレスロイド系殺虫剤の標的は、神経細胞の電気的信号を担うナトリウムチャネル。
ピレスロイドは、除虫菊よりも分解しにくいので、殺虫効果が高く、ヒトには毒性が低いとされているが、子どもの脳発達に悪影響を及ぼし、ADHDや自閉症など発達障害のリスクを上昇させる研究が報告されている。
・ Environ Int. 2022 Mar;161:107124.The association of prenatal and childhood pyrethroid pesticide exposure with school-age ADHD traits. Kyung-Shin Lee et al. 胎児期、幼児期におけるピレスロイドに曝露はADHD発症と正の相関があるという韓国の報告。
・Front Pediatr. 2017 May 24;5:116. Neurodevelopmental Delay Diagnosis Rates Are Increased in a Region with Aerial Pesticide Application.Steven D Hicks et al. ピレスロイドを空中噴霧した地域で、発達障害が増えたという米国の報告。
家庭用殺虫剤にはピレスロイドがよく使われているが、子どもに悪影響を及ぼす可能性があるので、安易な使用は止めよう。
蚊取り線香は、除虫菊から作った天然成分のものを使用しよう。
ペルメトリンは環境ホルモン作用があり、EUでは2000年に登録抹消されている。