殺虫剤の標的は脳神経系

殺虫剤は脳神経系を標的にしているので、人間の脳神経系、ことに子どもの脳発達に悪影響を及ぼすものが多い。有機リン系、ネオニコチノイド系、ピレスロイド系、カルバメート系、フェニルピラゾール系などについて解説し、新しい論文を紹介する。

殺虫剤の毒性記事一覧

有機塩素系農薬がほぼ禁止になった頃から、比較的分解しやすい有機リン系農薬が主要な殺虫剤として使われるようになりましたが、もともとその開発・合成は古く、有機塩素系農薬と併行して使用されてきたのです。有機リン系殺虫剤の開発中に製造されたのが、類似構造を持つサリン、タブン、VXガスなどの高毒性の毒ガスで、殺傷効果が高いために、極秘裏に軍需用とされました。VXガスは、2017年北朝鮮の金正男の殺害に使用さ...

有機リン系殺虫剤は神経毒性が高く、ヒトへの毒性も懸念されたことから、開発されたのがネオニコチノイド系殺虫剤です。新しいニコチンという意味で、煙草に含まれる毒物ニコチンによく似た構造をしています。

カルバメート系(アセチルコリン分解酵素を阻害する)は,アフリカ原産の有毒なカラバル豆の成分をもとに開発された殺虫剤で,低用量で環境ホルモン作用が確認されているカルバリルや,パーキンソン病発症に関わるベノミル(殺菌剤として使用)などの神経毒性の報告が出ている。